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2026.01.19

冬になると焼き菓子が恋しくなるのはなぜ?|香りと記憶の関係

新しい年が始まり、空気がきりっと澄む1月。

少し背筋が伸びるこの季節になると、不思議と恋しくなるものがあります。

それは、オーブンからふわりと立ちのぼる、焼き菓子の香り。


寒くなると、なぜかバターと小麦の香りに心を引き寄せられる。

その理由は、冬という季節と「香り」、そして記憶の関係にあります。


洋菓子のプルミエールでは、冬になると

「この香りが好きで…」とおっしゃってくださるお客様が増えていきます。

寒さの中で、焼き菓子の香りがそっと心に届く理由。

今回は、冬の焼き菓子と香りの関係について、少しだけお話ししてみたいと思います。

 

気温が下がると、香りは“記憶”に近づく

 

寒い季節になると、香りの感じ方が変わることをご存じでしょうか。

人の嗅覚は、五感の中でも特に記憶と結びつきやすい感覚だと言われています。


冬は、身体が自然と内側へ意識を向ける季節。

そのため香りは、情報としてではなく、

安心感や懐かしさといった感情として心に届きやすくなります。


バターの香りに、どこかほっとした気持ちになるのは、

そこに過去のあたたかな記憶が、そっと重なるからかもしれません。

冬にほっとした気持ちを呼び起こすバターのやさしい香り

焼き菓子は、食べる前からおいしさが始まる


ケーキや生菓子が、口に入れた瞬間の味わいを楽しむお菓子だとしたら、

焼き菓子は、もっと前から物語が始まっています。


袋を開けたとき。

箱のふたをそっと持ち上げた瞬間。

まだひと口も食べていないのに、

「きっとおいしい」と感じてしまうあの感覚。


それは、小麦が焼ける香ばしさと、

バターがほどけるように広がる甘い香りが重なり合うからです。


特に冬は、冷えた空気の中で焼き菓子の香りが際立ち

その存在感がいっそうやさしく、はっきりと感じられます。


冬のオーブンが育てる、やさしい香り


朝一番にオーブンを入れたとき、

プルミエールの厨房には、ゆっくりと香りが広がりはじめます。


まだ外の空気が冷たい時間帯。

静かな厨房で、オーブンの温度が少しずつ上がっていくのを待ちながら、

バターと小麦が焼ける、あのやさしい香りが生まれます。


その香りは一気に広がるのではなく、

空気に溶け込むように、そっと満ちていく。

今日も一日が始まる合図のように、

厨房全体を静かに包み込んでくれます。


忙しくなる前の、ほんの短い時間。

その香りに背中を押されるように、

「今日もいい焼き菓子を届けよう」と自然と思えるのです。

 

冬は、オーブンと部屋の温度差が大きく、

扉を開けた瞬間に流れ出す香りが、

「今、焼き上がりましたよ」と静かに知らせてくれます。

冬の洋菓子店のオーブンで焼き上げる焼き菓子 バターと小麦の香り

バター、小麦、卵、砂糖。

シンプルだからこそ、香りがまっすぐに伝わる。


冬は、何かを足すよりも、

少し立ち止まって「基本」に戻りたくなる季節。

そんな気持ちに、焼き菓子の香りはそっと寄り添ってくれます。

 

香りが残る時間も、焼き菓子のおいしさ


焼き菓子の魅力は、食べ終わったあとにもあります。

お皿が空になっても、

ふんわりと残るバターと小麦の香り。


その余韻が、

部屋の空気をやさしく包み、

冬の時間を少しだけあたたかくしてくれる。


バターと小麦が恋しくなる気温。

それは、心があたたかさを思い出す合図なのかもしれません。

 

洋菓子のプルミエールは、

そんな季節の気持ちにそっと寄り添う焼き菓子を、

これからも丁寧に焼き続けていきたいと思います。

 

この香りをご自宅でも。

冬の時間に寄り添う焼き菓子をご用意しています。